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This is earth. 12日目

閉じかけた瞼に飛び込んできたのは丘陵と形容するにはあまりに壮大な、圧倒的な「地形」であった。

なだらかな斜面には羊がたむろしており、ぼけっとした顔で草を食んでいる。近くで寝そべる牛、動き回る馬、地形、地形。

目が離せない美しさだ。高速で走るバスの窓から見える風景は刻一刻と変化するが、そのすべての表情を観測したいがため、尚更目を離す暇がない。

「見渡す限り何もない」、海以外でこんな言葉を使える機会が来ようとは。本当に、凄まじい景色であった。

 

充実した道中を経て、テカポ湖に到着したのは正午を少し過ぎたころであった。

テカポ湖。知らない人が多いだろう。この機会に覚えてほしい。

今、自分の眼前に広がっているのは、本当にちっぽけなひとかけらではあるが、紛れもなく地球の表面の一部であると、直感で悟った。

美しいライトブルーの巨大な湖と、その周りを取り囲む険しい山々。目で取得する情報量が多すぎる景色がそこにはあった。遠近感が狂うほど遠くのものが見える感覚は初めてだ。

あまりのスケール感に思わず笑みが溢れてしまった。というか大声で笑ってしまった。凄過ぎるんだ、本当に。

この景色が教科書に載った際には、こう添えるのが妥当だろう。

This is earth.

 

さて、テカポ湖の空は世界遺産登録予定だ。

世界で一番星空が綺麗な場所として、その空が世界遺産に登録されるらしい。空が遺産に、ロマン溢れる話だ。

幸い今日は快晴だ。バックパックの底で埃を被っていたコンタクトを引っ張り出して装着、夜は冷えると聞いたので防寒着も取り出して腰に巻く。準備は万端だ。ゼファー(ジンジャービール)をりんごジュースで割ったものを飲んで待つ。お酒、ニュージーランドは18歳で成人らしくて、買っちゃった。

本当は星を見ながら飲みたかったのだが、この国では公共の場所で飲酒をすると罰金2万円、もしくは逮捕となるそうで、危ないところだった。でも、星見酒への憧れは止まぬ。

くだらないことを考えているうちにサマータイムでズレた太陽がようやく沈み始めた。時刻は午後9時のことであった。

 

星が天を満たしていた。星界。舟があればそのまま漕ぎ出して行きたい。

オリオン座、あるじゃないですか。四角形の中に3つの点が斜めに入ってるじゃないですか。

四角形の中、星でいっぱいなんですよ。どれがベルトだよ。

カメラでの撮影を早々に諦め(サムネは詐欺)、羊の銅像の麓に寝そべって無限に広がる銀河系に想いを馳せていたら1時間が経過していた。飽きは来ないが、今宵は月夜だ。明日は更に素晴らしい天球が見えるだろう。今夜はもう戻ろう、風ビュービューで寒いし。

地球上どこに居ても同じ星の下とはよく言ったものだが、いかんせん星が見えない場所が多過ぎる。もう少し上を見て、見えないものに目を凝らさなければならない。

 

地球(テラ)と宇宙(ソラ)を全身で感じた。今日はいい夢が見られそうだ。

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